平戸令奈さん / ネイルアート

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町田及びその周辺で活躍する身近な女性達を紹介していきます。今回はその第一弾です。

平戸令奈( 町田市在住 )

ネイルサロン Ignistella
町田市中町3-10-6

平戸令奈さんは横浜市生まれ南アフリカ育ち。小学校5年生の時に商社に勤務する父親に伴って南アフリカ共和国のヨハネスブルグに移り住む。ヨハネスブルグでは最初、日本人学校に通っていたが、中学校からは父親の教育方針でイギリス系の地元校に入学する。英語がほとんど話せなかったが親切な同級生にも助けられ、妹と英語で喧嘩するまで上達するのに時間はかからなかったようだ。演劇の授業にも積極的に参加し、英語を自分のものにしていった。

6年間を南アフリカ共和国で過ごし高校2年の時に帰国し、玉川学園の高等部に入学する。なかなか日本の学校に馴染めなかったが、英語劇部に入部し気の合う仲間を得る。この英語劇部ではミュージカルの「グリース」や「ライオンキング」を上演するなど目一杯楽しんだようだ。

大学は玉川大学の教育学部へ進む。芸術学部への入学も考えたが将来のことも考えて教育学部を選んだそうだ。大学ではラクロス部に入り、選手として活動すると同時に日本ラクロス連盟での広報活動や外国チームとの国際交流の支援に力を入れた。

卒業して航空会社の地上職に就く。就職活動は航空とホテルに絞り、かなり企業研究もした。その甲斐もあって、航空会社やホテルから内定をもらったが、大きな空港で英語のスキルを活かしながら目一杯働きたいと考え就職先を選んだ。最初の配属は羽田空港の国際線の受付カウンター。空港内を駆けずり回る大変な職場だったが楽しい毎日でもあったようだ。

夜勤を伴う職業の夫との結婚を契機に退職する。出産を経て大手企業の受付も経験し、転居を機に専業主婦となる。時間の余裕ができて自分自身の将来を考えるようなる。子育ても終わり、子どもが巣立っていた時、自分は何者になっているのだろう。自分には語れる職歴も無い。同級生はそれぞれが仕事に就きキャリアを積んでいるのに。

町田にあったネイルスクールに通うことを決める。ネイルは大学時代から興味があった。手先が器用、絵が好き、接客が好き、美容が好き。そんな自分にピッタリの仕事ではないかと思った。こんな時のためにと学生時代からこつこつ貯めていた資金も役立った。

2年間ネイルスクールで学び、横浜市青葉区にあったネイルサロンで経験を積み、2019年に町田市中町で開業する。ネイルサロンのスタートは順調で、月に新規顧客が5、6人増えていったそうだ。順調だったネイルサロンを新型コロナウイルスが襲う。遠方からきていた顧客も道中での感染を警戒して来店しなくなるなど売上は一時期、半分以下に激減したそうだ。今は巻き爪のケアなどにも取組み新たな需要の掘り起こしを図っているところだ。

今後はプロアマ問わずスポーツ選手向けの爪のサポートに挑戦したい。野球選手の指爪、サッカー選手の足タコのケア、爪のトラブルのケアなど需要はたくさんあるはず。スポーツが盛んで大好きな地元町田を少しでも盛り上げる手伝いができればと思う。アスリートネイルもしっかり勉強しようと思っている。

目の前でお客様が喜んでくれる姿を見るとやり甲斐をすごく感じるし、とてもうれしい。人が好きな自分にとって天職だと思う。また、ネイルアートは時代によって求められるものがどんどん変化していき終わりがない。だから、常に新しいことを学び挑戦していかなければならない。そんなところも好きだ。

最後に平戸さんは「自分の強みを活かして、日々を全力で頑張る人の爪という小さなキャンバスから少しでも心に明かりを灯すことができたら…そんな使命感に燃えています。」と話してくれた。

ーインタビューを終えてー
母親である前に、妻である前に、社会を構成する一人の人間であり続けたい。そんな想いが伝わってくるインタビューでした。

(インタビュー・文/山本満)